早稲田の『Tutorial English』

早稲田大学の特色ある授業の一つに、『Tutorial English』があります。私が法学部生だった時の記憶で書きますが、早稲田実業の跡地を活用した施設で実施される、先生(チューター)お一人に対して、学生が2~3人の英語会話の授業です。半期週2コマの必修で、授業後のフォローアップとしてweb上での簡単な短い課題もあり、ライティング力もつきます。

語学必修の英語とはまた別の授業です。個人的に受ける前の当初はあまり乗り気ではなかったですが、今の私の英語力、特に会話力の礎を作ってくださったのは間違いなく、今思うとすごく受けて良かった授業です。私のような地方出身で、一定以上の期間の公式な留学経験がなく入学した学生でも、英語での会話への抵抗がかなり少なくなりました。

また、語学の英語の授業でも、Tutorial Englishと合わせて、ディクテーションやエッセイを書いたり、新聞英語に触れたり、ここでも英語での会話やライティングもあったりしました。特にディクテーションがきつかったですが、これもすごくためになりました。

早大入試では、TOEFLⓇが利用な学部が4学部ありますが、私のように地方出身者で、入学時までに中長期の海外経験がない受験生は特別な事情がない限り無理して受けなくても(スコアは残せますが)、英検Ⓡの方が受験しやすいと思います。

国際教養学部と商学部入試ではともに、TOEFLⓇ iBT95点以上か、英検Ⓡ1級で最高点が加点されますが、TOEFLⓇについては個人的にその水準を上回った経験があります。

短期であれ交換留学であれ、英語圏留学の際に最も汎用性の高いのがTOEFLⓇ(IELTSがそれに次ぐ)ですが、Tutorial Englishをしっかり受けておくことが、TOEFLⓇの会話対策の重要な足掛かりにもなると思います。

本講座の「存在理由」

2023年度の早稲田大学の入試は2月23日までで、当講座は2月24日から「春期講習」という形になります(「通常型」でも「講習型」でも受講可)。今年度早大入試日程が終了するまで、残すところ1ヵ月に満たないわけですが、それまでは可能な限りぎりぎり前まで「直前講習」として受講生を募集します。

この早大入試直前の段階で、始めて間もない本講座の存在理由は一体何でしょうか。もちろん、私は勉強と研究が好きだから生業にしています。それに加え、院試の準備も含め、複数の予備校に通い、そこでの授業に感銘を受けてきましたが、早稲田大学に入ってからの経験を通じ、自分が予備校よりもよく教えられる部分は少なからずあると確信しています。

また、以前にも書いたように早稲田大学学生の出身地域の偏りという問題に関心があります。そして自分自身が入学し、そこで学んでみて、早稲田大学に入って本当に良かったですし、「入る価値のある大学」だと断言できます(もちろん「楽園」などでもありませんが)。

ただ、早稲田大学の入試は非常に厳しいものがあります。早稲田に入学すれば、伸びやかな一面もあることを感じ取れると思いますが、その「関門」としての早大入試の難易度・要求水準は非常に高いものがあります。

そして何より、地方からの受験生は、不慣れな都市部の環境で、長距離移動の負担を伴いながら、厳しい競争の場に身を投じることになります。このような状況下で、地方からの受験生にかかる精神面での負荷は極めて大きなものとなりえます。私が実際にそうでした。

その背景には、「入試直前期」の精神面の自己管理が十分ではなかったことがあります。もちろん家族の支援あっての受験でしたし、予備校も温かく接してくださいました。ただ個人的に、前年までは出題されていなかった形式の問題に対応できなかったのを引きずったまま、精神的には限界を超えた状態で連日の入試に臨んでいました。

なので、これから「直前講習」として受講してくださる方には、「勉強面」では直前でも可能な限り効果的な方法をお教えするとともに、「精神面」では入試直前期や当日に「不測の事態」に出くわしても、自分で克服し、自分で立て直せるような「強靭な精神力」をどう身につければ良いかを、私の苦い経験をふまえたアドバイスもしつつ、一緒に考えていきたいと思います。

政経学部独自入試をどう評価するか

早稲田大学政治経済学部の一般選抜は、2021年度入試から日本語・英語の長文からなる「総合問題」(+その前段階で、共通テスト4教科4科目)となっていて、今年で3年目となります。

注目すべきは、「赤本」(教学社)は政経学部の過去問も出しているのに対し、「青本」(駿台)は出していないところです。この政経学部独自入試をどう評価すべきでしょうか。

まず、試験から『国語』がなくなったというふうには絶対に捉えるべきではないでしょう(もちろん「小論文」になったわけでもありません)。確かに、早稲田の他学部の『国語』のような、「人文社会学的」な文章が出題される可能性は今後も低そうですが、「日本語」として『国語』の能力は確実に問われています。古文・漢文の内容が出題される可能性も低そうではありますが、「文語文」も(部分的にであれ)出題される可能性は完全に排除しない方が良いでしょう。

また、通常の英語長文・国語の文章問題と異なり、「社会科学的」な知識と思考力が直接的・間接的に問われているのも政経学部「総合問題」の特徴です。これはとりもなおさず、高校で学ぶ『政治・経済』と『数学』の知識も問われているということです。そして、『政治・経済』で学ぶことの延長として、時事的な現代社会の諸課題への意識と感度の高さまで求められます。

個人的な感覚として、「総合問題」の合格点としては、最低でも75~80%程度必要なのかなというところです。「サンプル」としての過去問がまだ少ないので、類似した出題形式の他学部の過去問も解いておく必要があります。

本講座では、英語・国語の必須受講枠でこの政経学部「総合問題」の対策にも対応いたしますが、選択科目の『政治・経済』も併せて受講していただければ、より万全な態勢で入試に臨むことができます。

古文の「メタ勉強法」

「古文は外国語」と、人が言うのを耳にしたことがある方は結構多いのではないかと思います。この捉え方は、「メタ勉強法」、つまり、ある科目に向き合う意識・姿勢としては最も好ましくないありかたの一例です(あと、「センター『現代社会』は履修していなくても満点が取れる」など)。

外国語を授業で2つ(以上)学べるのは大学からで、英語と古文をともに「外国語」として捉えてしまえば、自分で自分を不必要に大変な心理的状況に追いやっているように見えてしまいます。また、本来身近なはずの「日本語」を遠ざけてしまうことにもなります。

『古文』はまぎれもなく日本語です。そして、日本語の「言葉」の「本来的な意味」を知ることによって、「日本語」への理解を深められます。優れた問題集・古文単語帳などには、この「言葉」の「本来の意味」と、それがどう変化し、いくつかの意味に枝分かれしたりしながら現代使われている意味になったかも載っています。

また古典文学は、当然のことながら『源氏物語』・『枕草子』がすべてではなく、多様な時代の多様なジャンルからなっています。「国語便覧」などの「文学史」の箇所を利用して、自分が「これなら興味を持てる」と思う作品があれば、文庫や電子書籍でそれを読むことを通じて、文法事項の知識の定着・確認もはかれます。

ただ、『源氏物語』については、あらすじ・登場人物を大まかに知っておく必要があるので、ここでも「国語便覧」を活用しましょう。

個人的におすすめ(作品自体が素晴らしい)なのは、入試頻出ではない近世の作品にはなりますが、上田秋成の『雨月物語』・『春雨物語』です。また、「漢文」(「漢文」も『国語』です)の「現代日本語訳」ということにはなりますが、蒲松齢『聊斎志異』も、個人的にすごくお勧めです。

最近、面白そうで、古文の勉強にもなると思って購入したのが『大鏡』で、のっけから「濃い」展開です。

日本史・古文の「メタ勉強法」

今回は、日本史と古文の「メタ勉強法」について考えてみたいと思います。何やら聞き慣れない仰々しい言葉を用いていますが、ここで言う「メタ勉強法」とは、教科書と、どの参考書・問題集を具体的にどう活用してどのような方法で学ぶかという「勉強法」に先立って、「どういう意識で、ある科目に向き合うか・付き合うか」ということです。

私の推奨する「メタ勉強法」とは、「ある科目について、それが自分の生活とどう関わっているのかに興味を持ちながら、身近なものとして親しんで接する」ことです。

日本史は、根本的には「政治史」として学ぶもので、長らくその政治の中心だったのは、京都と東京(江戸)です。また、多くの古典文学の舞台であったのもまた京都(平安京)です。ただ、こういった政治の中枢が、「地方」と全く関わらずに成立していたわけではありませんし、当然「地方」の側も中央からの影響を少なからず「受けていた」わけです。これがまず第一歩です。

次に、「地方」には「地方」独自の歴史があり、それを完全にではないにせよ「自律的なストーリー」として語ることは可能です。こういった「地方独自の自律的な歴史」はむしろ地方出身者だからこそ関心が持てて、深く知ることができるものです。

上で述べたような、中央と地方の関わりや、「地方独自の歴史」を知るために、まずは「政治的中枢」に焦点があてられた日本史や古典文学をしっかり学ぶ必要があります。

例として、かすみがうら市の中志筑地区の一角には、長興寺、志筑城跡、伊東甲子太郎生家・顕彰碑、「師付の田井」といった史跡がまとまってあります。これらの貴重な史跡には、丁寧な案内文を掲示してくださっているので、万葉の時代~幕末・明治維新までの同地域の歴史の流れと中央との関わりがよくわかります。これも個人的には、日本史を受験のためにしっかり学んだからこそ、関心が持てるし理解もできることだと思います。

年明けには、長興寺にお参りして、大変美しいご本尊をありがたく拝見して非常に感銘を受けました。また長興寺には、なぜかユニークな石像がたくさんあり、その「縁起」にも興味を覚えますし、受験勉強などで疲れた時でも、その石像を見れば心が和むかもしれないと思います(古文についてはまた記事を改めて書きます)。

早稲田大学と「東アジア」

早稲田大学は「東アジア」諸国との関係が深い大学です。まず韓国については、サムスン電子の創業者と二代目、ロッテ創業者が早稲田出身です。そして、高田馬場(駅)の隣が言わずと知れた日本有数のコリアタウンにして、多国籍・多文化の街である新大久保(駅)です。

また、早稲田大学は、当時は「清」だった中国からの留学生を日本で初めて受け入れた大学と言われています。私の在学中も中国人留学生は非常に多かったですし、中国語や中国留学プログラムも充実していました。

さらに、早稲田大学のカフェテリア(学食)の入り口では、「中華民国」から寄贈された獅子の像が迎えてくれます。そして、早稲田大学の中で、国際教養学部と大学院アジア太平洋研究科が、こういった東アジアからの留学生の特に大きな受け皿になっています。

新大久保だけでなく、池袋や大塚までも含めて、早稲田・高田馬場とその周辺には東南アジア諸国料理やいわゆる「ガチ中華」と韓国料理の美味しいお店が行きつくせないほどあります。早稲田に近い所だと「タイラーメン」の『ティーヌン』は早大生ならすぐわかると思いますし、高田馬場の老舗中華『秀永』の「ほんこん飯」・「ロース飯」は私も何度もいただきました。

高田馬場は、ミャンマー料理店も多く、「リトル・ヤンゴン」の異名を取るほどです。また、高田馬場はラーメンやとんかつの激戦区としても知られています。

常磐線だと、三河島(駅)が、隠れたディープなコリアタウンです(日暮里も)。また、私も何回か伺った新松戸(駅)の台湾料理の『台葉』が非店舗で復活されているようです。

早稲田に入学すれば、留学生の方と美味しいお店に行ったり、留学生の方から本場と遜色なく美味しい料理のお店を教えてもらうのも楽しみの一つになるかもしれません。

受講料割引キャンペーン(再掲・改定)

1月21日までに受講希望のご連絡をいただいた方で、偏差値70以上の方には規定受講料の30%を、65以上で15%、どなたでも10%を減免いたします(高校1,2年生向け1750円コースは除く)。「どなたでも10%引き」プロモーションは、1月22日以降も継続いたします。

スタディサプリと「ただよび」

スタディサプリと「ただよび」。私の方が後発で、僭越ではありますが、この2つは正直に言って「脅威」です。まずスタディサプリについて、価格が驚異的に安いだけでなく、難関大対策を含めた授業の質も非常に高そうで、講座のコンセプト自体もスタイリッシュだというのが印象です。私がもし今受験生だったら受講していたかもしれませんし、私にもし受験生の子供がいたら受講させていたかもしれません。

ですが、それ「だけ」で、特に「難関大対策」として「十分」でしょうか。また、スタディサプリは予備校に対する自らの価格面での優位を非常に強調されていますが、それと同時に塾・予備校との「併用」を推奨してもいます。

本講座も、「予備校との掛け持ち歓迎」と書いていますが、それは講師自身の学力を大幅に引き上げる楽しい講義を提供してくださった代々木ゼミナールの先生方に対する「敬意」によるものです。スタディサプリの講師の方々は「絶賛売り出し中」の感がありますが、私が受講していた頃の代ゼミの先生方ほどの「強烈な個性の輝き」がはたしてあるでしょうか。

私は100%の自信をもって、「本講座だけで早稲田の一般入試対策は十分」と断言できます(政治・経済以外の地歴公民と、数学は提供していないものの)。

また本講座は、行き過ぎの低価格競争に参戦するつもりはなく、あくまでサービスの内容に見合った適正かつ良心的な価格を追求します(それを公開もしています)。低価格競争を仕掛ければ、いずれは自分が「仕掛けられる側」になるのは目に見えています。そこで、次は「ただよび」についてはどうでしょうか。

「ただよび」はもちろん「受講料」といった話すらないわけですが、当然「コストが全く0」という話でもないわけです。また、講師の方々も腕利きの猛者で、個々の動画もYouTube動画としても非常に面白そうだという印象があります。ですが、学習系動画(チャンネル)はYouTube上に数多あるわけで、個別的には、同じテーマで他チャンネルのもっと良い動画があるかもしれません。

また、スタディサプリ以上に進路相談や質問対応には困難が伴いそうです。やはり、スタディサプリと同様、ご自分の勉強の中に「部分的かつ効果的に組み入れる」のが現実的だと思います。今現在、吉野先生が「ただよび」にいらっしゃるのかそうでないのかがよくわかりませんが、あそこまで古文という科目を「楽しく」教えられる方は、そうはおられないと改めて思います。

ドラマ『臨場』と早稲田

『臨場』というドラマをご存知の方もおられると思います。その『臨場』の主人公は、俳優の内野聖陽さん演じる倉石義男検視官です。内野聖陽さんは、横浜市出身で、早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業されています。

ドラマの中での倉石検視官の口癖であり、仕事の哲学ともいえる台詞が「根こそぎ拾え」と「俺のとは違うなぁ」です。もちろんこれらの台詞は、ドラマ内の殺人事件現場での犯罪の痕跡(証拠)と推理についてですが、私はその台詞から個人的にすごく「早稲田的」なものを感じてしまいます。

「普通の人」が深く考えず素通りしてしまうような物事の中にも意味と価値を見出すことで「違い」を生み出す、というようなことを研究で実践されている早稲田関係者の方もおられます。私も含め、単に「人と同じ」や「平凡」を嫌う早稲田関係者は少なくないと思います。ただ、「天邪鬼」や「何でも人と逆張り」にならないよう注意する必要はありますが。

刑事ものドラマの連想で、水谷豊さん演じる『相棒』の杉下右京は東大法学部出身の役柄です。「東大」というと私は「完璧」という言葉をイメージするのですが、杉下右京でも途中まで事件の筋を読み違えていたりすることもあるので、「完璧」というのはなかなか実現し難いのだと思います。

『HERO』の久利生検事や、『イチケイのカラス』の入間裁判官のような理想的な法曹関係者も現実にはなかなかいないと思いますが、刑事・法曹もののドラマを見ることは、『政治・経済』の勉強にもなりますし、法学部志望の方たちにとっても有益だと思います。

私も早稲田大学法学部出身ですが、さすがにロースクール(法務研究科)の対策講座は提供させていただくことができません。

早大受験に関する情報

・河合塾から、最新の「入試難易予想ランキング」が公表されました(リセマム、1月18日)。

・1月13日より、早大入試の「志願者数速報」が公開されています(早稲田大学 入学試験関連情報)。

・早稲田大学入試の出願締め切りは、一般選抜、共通テスト利用ともに「1月20日(金)」です(締切日消印有効)。

・本講座の受講料割引キャンペーンは、「1月21日」までに受講希望のご連絡をいただいた方が対象です(どなたでも5%割引はその後も継続)。

*入試情報については、必ず「公式の一次的な情報」をご自分でもご確認ください。