キャンペーンの改定・延長

本講座では4月末まで、指導形式と受講を希望される講座・コースを問わず、先着10名様に授業で用いるテキストを差し上げます。

高価なテキストではないですが、やる意味の大きい、実力向上に非常に役立つテキストです(1年生、2年生、3年生以上の方とで、それぞれ別のテキストです)。

また、春期講習は厳密には3/31までですが、4月始めの高校の春休み期間にも、春期講習の内容の提供が可能です。

茨城県と早稲田について思ったこと

大学受験に向け突き詰めて勉強されている方の中には、長塚節(ながつか たかし)と『土』という小説をご存じの方もおられるかもしれません。長塚節は、茨城県結城郡のご出身で、短歌でも優れた業績を残された方です。

『土』は長塚節の代表作である長編小説で、ふと読もうと思い立って近くの書店を3軒回って探したのですが、どこにも売っておらず、最終的にはネット通販のご厄介になりました。

私自身まだ『土』を少ししか読めていませんが、その驚異的な描写力には圧倒されるものがあり、その自然描写には茨城県に住んでいる者として深く共感できますし、その主題にも茨城県や日本だけにとどまらない普遍性を感じさせるものがあります。その長塚節の『土』を非常に高く評価し、見出したのが、かの夏目漱石でした(長塚節は、短歌では正岡子規に師事されていました)。

その夏目漱石生誕の地である「夏目坂」は、早稲田大学の近くにあります。東西線早稲田駅の出口の近くです。個人的に夏目坂の吉野家と餃子の王将によく通っていたので、これらがまだ残っていてくださるとうれしいです。

早稲田大学の「地域連携型入試」のプログラムには、茨城県結城郡八千代町のものもありました。即席めんの『ニュータッチ』をご存じの方もおられると思いますが(私もすごく好きです)、その八千代町の企業です。個人的に八千代町で実施されたプログラムに強い関心があるので、同地に足を運んでその情報と実情を知る必要があると考えています。

またこちらも早稲田大学の近くで、文京区の関口に、『関口芭蕉庵』があります。椿山荘の隣で、その名の示す通り、かの松尾芭蕉が居を構えていた所です。椿山荘に比べればもちろんこじんまりとしていますが、ひっそりとしていても非常に趣のある場所だったのを覚えています。

昨日は『鹿島新当流』の創始者である塚原卜伝について書きましたが、松尾芭蕉の紀行文にはその「鹿島」の地を訪れた時のことを記した『鹿島紀行』があります。江戸深川から主に舟旅で鹿島神宮を参拝され、潮来にも立ち寄られています。

本講座でも、古文の勉強として『鹿島紀行』を読むことも考えたいと思います。

「矢面に立つ」ということ

かすみがうら市とその周辺地域に、早大合格者の多い土浦一高と江戸川学園取手高校の生徒の方々や、潜在的にそうである方々も含めた早大志望者が、実際にどれくらいおられるのかを正確には把握できないままこの講座を開設しています。

ふと思うのは、こういった茨城県の最上位進学校に通っている方々であっても、つくば市や土浦市の方でなければ、実際に早稲田を受験するのは「矢面に立たされる」ようなことなのかもしれません。

私は高3の時、松戸の河合塾に通っていました。そこでの「早大現代文」の先生は前列の生徒を指名して答えを求める方でした(先生ご自身は非常に良い方でした)。私はやはり遠くから通っていたので、私が着く頃の教室はすでに前列しか空いていません。それで、前列に座り毎回指名されることになります。

これこそが、私にとっての「矢面に立たされる」という原体験でした。しかも初回の授業時に指名されて、間違えてしまいました。その年に早稲田は受かりませんでしたが、この体験が早稲田に入ってからも、今でも活きています。

頭脳とキャリアの面で非常に秀でた方たちは、すべての方がそうだとは言いませんが、概して「リスクを避ける」性向が極めて強い方たちです。私はこのことを身に染みて理解しています。知識が多くなれば、当然何が危険かを察知する能力も高まるので、このことはある意味自然なことなのかもしれません。経歴も「積み上げる」ものですし、「プライドと恥」の問題もあるでしょう。

ですが、「早稲田出身者」がそれで良いのでしょうか。早稲田大学の創設者であられる大隈重信は「失敗に打ち勝つ」ことの重要性を強調されておられます。

国学院大学で学ばれている歌手の相川七瀬さんが、「ゼミの場で叩かれる」という体験のタフさを慨嘆された記事を拝見しました。もちろん早稲田に入った方も同じようなことを、もしかしたらより甚だしい程度で体験することになるのはまず間違いないでしょう。

茨城県は、都道府県の魅力度ランキングで最下位の常連どころか殿堂入りレベルですが、「早稲田大学学生の出身者数ランキング」で実はかなり上位にいます(一都三県と、愛知県・兵庫県に次ぐ)。

常陸国の鹿島に生まれそこで没し、室町時代に活躍した伝説的剣豪である塚原卜伝(つかはら ぼくでん)は、足利将軍家や守護大名にも剣術を指南しました。塚原卜伝は単に生涯無敗であるだけでなく、「矢傷6つ」を除いては、剣で斬られたことがなかったと記録されています。本当かどうかはわかりませんが、私は自分の家の先祖が塚原卜伝の弟子だったと聞いたことがあります。

私も一応、先祖が塚原卜伝の弟子だったという前提で、それに恥じないようこれからも生きていくつもりですし、茨城県の魅力度ランキング最下位についても、これほどオイシイことはないと思っています。

「矢面」に立って、適当なリスクを甘受した方がむしろ安全で、得るものも多いのかもしれません。

追記:2022年度の都道府県魅力度ランキングでは、茨城県は46位で、大隈重信ご出身の地である佐賀県が最下位で複雑な気持ちになってしまいました。

キャンペーンと本講座の方針

本講座では、「春期講習」のキャンペーンとして、3/31までに受講を決定してくださった先着5名様に、本講座使用テキスト1冊を差し上げます(家庭教師形式・集団指導形式で共通)。

通年のキャンペーンとしては、大手予備校等模試で、早稲田大学の志望校判定が「B判定以上」の方には、家庭教師形式(遠距離含む)か集団指導形式かを問わず1回「1500円」で当講座を提供致します。

また本講座では、条件に該当するすべての受講生に「めざせ!都の西北奨学金」を申請していただくのが基本方針です(もちろん義務・強制ではありません)。堂々と自信を持って同奨学金の申請を行っていただくための指導を提供してまいります。

「社会科学(部)」について思ったこと

本田望結さんが、早稲田大学の「社会科学部」に進学されるという記事を拝見し、その「社会科学(部)」について思ったことを書きたいと思います。

「社会科学」とは、「社会的な諸現象を、理論的な視座から科学的・実証的に分析する学問」とひとまず定義します。「社会」というときに、それを「政治」や「経済」と区別することも多いのですが、「社会科学」というときには、政治・経済・政策・法律・経営や、市民社会・NGOの活動といったことも分析対象に含まれます。

私はこの場で、「人文社会学」という語を用いていますが、その「社会学」は、「個人」よりも総体としての「社会」と、そこにおける人々の「集合的な認識・心理」や「文化」の方に強い関心を寄せる学問だと、個人的には理解しています(もちろん「科学技術」なども考察の対象になり、社会学でも統計分析などのプローチを取る研究もあるわけですが)。

「法律学」は一般的に「社会科学」に含まれるとみなされていますが(それを批判するつもりはありません)、個人的にその内実は「人文社会学」の方に近いと考えています(もちろん、異なる学問分野の間に優劣などありませんし、法律学の分野でも統計を用いた分析は当然あります)。また「政治学」にも、「社会科学的な立場」と「人文社会学的な立場」の両方があります。

早稲田には、社会科学の諸分野を学ぶことができる学部が非常に多く、特に「社会科学部」ではそれら複数の分野を自分の関心に応じて幅広く、「横断的・学際的」に学ぶことができるはずです。

社会科学部は、かつては「政治経済学部」の二部(夜間部)だったわけですが、政治経済学部は「政治」と「経済」の現象は分かちがたく結びついており、両者を合わせて理解することの重要性(実際にそうだと思います)を強調されています。こちらもやはり横断的・学際的です。また、政治経済学部では政治思想(政治哲学)の研究も盛んです。

私も法学部・第一文学部とともに、社会科学部からも合格をいただきました。社会科学部というと広くて設備の良い「14号館」というイメージが強く、法律必修科目で大教室の講義でもお世話になりました(読書室も良いです。最上階ですが)。

本田望結さんが合格されたのが、一般入試なのかAO入試なのかはまだ判然としませんが、本講座では、特に推薦型の入試を受験される方には、その入試に備えるために志望学部の専門分野の新書や入門書を読むことを勧めていきます。

ちなみに私は、早稲田大学社会科学学術院の吉田敬教授著の『社会科学の哲学入門』(勁草書房)を読まなくてはいけないと思っているのですが、まだ購入できていません。ですが良書であることはまず間違いなさそうで、こちらもお勧めしたいです。

小倉優子さんの受験について(再)

小倉優子さんの大学受験に関連する記事は今でも出てきており、ウェブ上でも様々な見方が提示されていますが、次第に「美談として幕引きを図りつつの宣伝」という性格が色濃くなってきている印象を受けます(小倉さんご自身が受験勉強と受験を完遂されたことについてとやかく言うつもありはありません)。

この一件についてまず思うようになったこととして、私が拝見する限り、「女性の先生」による指導が見受けられませんでしたが、それはなぜなのか、ということです。「早稲田」にそういった方が実際におられて、かつそういう方を見つけ出して、引き受けていただけるかの確証はもちろん私にもありませんが、「子育てをされながら難関大学合格を勝ち取った女性」のような方が、指導スタッフにもし一人でもおられれば結果はもっと違ったのではないでしょうか。

そこまでいかなくとも、「早稲田大学の学生や卒業生」で「女性」の方から、指導を引き受けてくれる方を探すのはそこまで難しくはなかったはずです。

またこの点と関連して、小倉優子さんの側から、指導の内容について「物を申せる」・「注文を付けれる」ような体制はあったのでしょうか。個人的に、早稲田を目指して、かつ実際に入って学ぶというほどの意志があったのであれば、そういった「自己主張」はされていて然るべきだったと思いますし、もしかしたら「TVの企画」という枠のもとで、かつ周りは「男性」の有名人ばかりでそういう「空気」ではなかったのかもしれません。

最後に、共通テストも含め、模試等の試験結果やその推移をもうちょっと段階的に提示していく必要があったのではないでしょうか。正直あそこまで引っ張るに値する、「サプライズ」のある結果ではなかったですし、「悪い部分」も含めさらけ出して、それを「良い意味で自分自身を追い込む」原動力に変えていくべきだったと思います。偏差値についても、55~60くらいに到達されているのかと思っていました。

以前私も「多浪」だと書きましたが、ネタになる程度のものではなく、本講座を受講してくださる方々には、高校生であればもちろん「現役での合格」に向けた指導を提供いたします(もちろん高卒生・社会人の方々も歓迎です)。

*「f-Campus」という単位互換制度には、「学習院女子大学」も含まれています。私は勝手に含まれていないと思い込んでいましたが、失礼致しました。

「偏差値」について

本講座では、一定以上の模試「偏差値」を受講要件としています。「偏差値」という時に最も念頭に置いているのは「河合塾」の模試偏差値です。

かつてはその河合塾と代ゼミの模試偏差値とではほぼ互換性があったと記憶していますが、それが今では河合塾と東進とでなのかもしれません(代ゼミ模試はかつてほど広く実施されていないのは存じています)。

「偏差値」という語に抵抗感を抱く方もおられるようですが、偏差値自体は全くもって「価値中立的」で、「点数」や「順位」と比べてどちらが「残酷」かは自明ではないと思います。

もちろん私は、「偏差値至上主義者」でも「学歴至上主義者」でもありません(学歴軽視や「学歴は関係ない(=学歴に意味はない)」という主張も論外ですが)。学歴「だけ」で、ましてや偏差値だけでその人の社会的な価値が決まるなどというのはあり得ない話です。

ただご自分のその時点での実力を「客観的に知る」上で偏差値は非常に重要で有用な指標です。志望校判定も、偏差値に基づいて行われるものと理解しています。

『日本史』について

『日本史』についてもやはり開講しようとふと思い立ちました。本講座では、共通テスト地歴公民科目については公民科目の対策のみ提供可で、『日本史』は専ら「早大入試対策」に向けてのものとなります。

以前にも書きましたが、『日本史』はすごく得意で、私自身早大を『日本史』で受験しました。高校時代の『日本史』の先生は非常にわかりやすく丁寧に指導してくださったというのが大きいです。

「昔はできたのに勿体ないから」というのが理由では全くありません。本講座では『政治・経済』も提供していますが、需要が多くはないのが現実で(もちろん受講は歓迎)、その上でやはり、責任をもって「3科目のパッケージ」として本講座を提示するのが望ましいという思いが強くなりました。

私が現役・浪人で学んでいた時からの参考書・問題集の発展と、早大日本史の出題形式の変容をふまえ、高校の授業とは異なるアングルから、高校の授業では十分にカバーするのが難しい事項を集中的に解説していくつもりです。

また、「地域連携型入試」受験者で、特に文学部・文化構想学部志望の方には、「地域の歴史」についてもしっかり押さえることで、それが課題レポートを書く際の「糧」にもなることを目指します。

体験授業と英単語について

春期講習(早稲田の暦に合わせ~3/31)では、英語の体験授業と早大受験講座を一連のセットとして提示していくつもりです。体験授業は60分ですが、質的に早大受験講座に全く劣らないどころか、その基盤を提供するつもりです。早大入試の英語はまずもって「差をつけられてはいけない科目」ですが、そのために必須の方法を体験授業ではまずお伝えするつもりです。

その上で、受講者の方の「英単語力」は非常に重要で、その単語力に私も大きな関心があります。本講座では、英単語の学習自体は基本的に行いませんが、授業を通じて単語力は常時確認しますし、単語学習についてのアドバイスもします。本講座の単語力の基準は、3年生の冬休み前までに『英単語ターゲット 1900』の1500までの単語か、『速読英単語必修編』をほぼ完全に習得できているか、となります(『システム英単語』の同等レベルでも可)。もちろん特定の単語集の購入を義務付けるまではしませんが、学校指定のものでもご自身で購入するものでも、上記基準と同等の水準が早大入試では求められます。

英文法・語法については、ともに桐原書店の、『頻出英文法・語法問題 1000』や『英語頻出問題総演習』を、英単語を覚えるのと同じテンションで習得する必要があります(比率は単語よりやや少なくて大丈夫です)。もちろん、早稲田の文法・語法問題と自由英作文(条件付き英作文)は授業で扱います。

古文単語集については、代ゼミの西村雪野先生の『解法古文単語350』を推奨します。

私は、自分が行おうとしている指導は「予備校的な」指導だと考えていますので、「学校では習得できないけれども、早大入試には必須」の方法を受講者の方々にお伝えしていくつもりです。

新思考入試(地域連携型)について

2023年度の「新思考入試(地域連携型)」(2024年度より「地域探求・貢献入試」)が公開されています。昨年と同様の日程だとすると、今年度の出願期限までもう半年なので、実際に受験する意志のある方は今から少しづつでも具体的に動き始める必要があります。

その地域連携型入試の「問1」は、志望者が提出した「課題レポート」と、早稲田大学ならびに法・商・文・文構・人科・スポ科各学部の教育理念・教育方針・求める人材との結び付きを問う問題でした(問2は新聞記事と統計データが提示される、例年と同様のオーソッドクスな問題でした)。

この問1について、地域連携型入試に参加している志望学部のHPやパンフレットに事前に自主的に十分目を通しておく必要があり、仮に「全くの初見」だったのなら対策として極めて甘く、時間的にも厳しかったのではないでしょうか。それに加えてこの問1については、明らかに早稲田出身者による指導こそが望ましいでしょう。

また問1を見て感じるのは、地域連携型入試自体の来年度からの名称変更と相まって、まだ手探りの部分も大きいという印象です(6学部間の調整と、その上での問題作成も容易ではないと感じます)。

地域連携型入試では、1次「書類審査」の一部として「課題レポート」が課されます。この「課題レポート」の比重・重要性は非常に大きいと考えるべきでしょう。特に留意する点として、「レポート」と銘打っていても、大学の講義で提出する「レポート」というよりは、大学院の「研究計画書」の方にずっと近いものと個人的には捉えています。この点、大学院の世界を知っている方からの指導が明らかに望ましいでしょう。ただ、その指導者の側も、「テーマ選定」そのものに大幅に干渉してしまうのは極めて不適切です(もちろん指導者がテーマを決めてしまうことも含めほぼ不正行為)。地域社会が抱える特定の課題につき、志望者ご本人が見出した「テーマ」・「問題意識」は決して損なわずに、構成・表現・体裁まで行き届いた「課題レポート」をあくまで「自力で書ける」よう極めて慎重に上手くリードしてあげる必要があります。

当然ながら、地域連携型入試では、地域が抱える問題への深い問題意識と洞察が求められます。茨城県には筑波大・茨城大といったれっきとした国立大学が複数あり、地域によっては千葉大や埼玉大も十分に通学可能でしょう。地域の問題に深い関心があるのに、なぜあえて早稲田で学ぶ必要があるのか(ここにはある意味「矛盾」が横たわっています)、そして、なぜその特定の学部を志望するのかも同時に問われます。

他方、千葉県や埼玉県は、案外名の知れた有力大学は少なく、自ずと東京の大学に目が向きやすい面はあると思います。これら2県は、早稲田の合格者の非常に多い進学校を複数擁するだけでなく、地域によっては、早稲田への交通アクセスにも非常に恵まれています。

地域連携型入試の問題自体は、一般入試の問題よりは取り組みやすいですが、事実上小論文2題(60分×2=120分)というのは相当ハードです(その後でさらに共通テストを受験する必要もあります)。それでも同入試は、良い意味で「試練」として取り組む「過程」を通じ、早稲田に入る前から事実上早稲田での学びを体験することで、自分自身を大きく成長させることができる絶好の「機会」であるのも間違いないです。