早稲田大学の大学院生だった女性が提起したセクシャル・ハラスメントについての訴訟で、東京地裁は4月6日、当時の指導教官だった元文学学術院教授と早稲田大学に賠償を命じる判決を下しました(この一件についての詳細は、web記事に委ねさせていただきます)。
大学の場でのハラスメントは、早稲田大学に限ったことではないですが、早稲田での例も少なくないどころか、極めてスキャンダラスなものも含め、むしろ目に付く印象です。上で述べた裁判は大学院でのセクハラのケースですが、当然大学学部生もハラスメントに出くわしてしまうことはありえます。万が一、自分に取り立てて何ら非がないのにハラスメント(権威を盾にし、弱みにつけこむ意図的で継続的な嫌がらせ)を受けた場合には、大学のハラスメント対策の窓口に躊躇なく相談しましょう。
ただ、学生の側も教授に対して意図的に失礼なことをしたり、教授を利用しようとするようなことは厳に慎むべきです(私もそんなに偉そうなことを言える立場ではないのですが)。早稲田には、敬語が使えないというような人はまずほとんどいないので、「礼儀」には比較的厳しい大学だと言えると思います。
早稲田出身の政治的リーダーや、早稲田に関わりのある「有名人」の人たちが精彩を放っているとは言い難い一方、田中現総長体制のもとでの変革や、これまでのコロナへの対応については、私も含め好感を抱いている方は少なくないと思います。
以前にも似たことを書きましたが、早稲田大学は「理想郷」などではありません。ですが、それでもその厳しい入試を突破して、そこで学ぶだけの価値のある大学です。本講座で学び、早稲田に合格して入学される方には、「主体的に」早稲田の「伝統的な良さ」を保ちつつ、「ささやかでも肯定的な変化」をもたらしていっていただけたらと思っております。