共通テストと「思考力・判断力」

共通テスト本試験の日程が終了し、私も少しずつではありますが問題を拝見させていただいているところです。

「少子化」の中で受験者の数を確保・維持していくために、大学入試センターが、受験生の方々の興味を引く「おもしろい」、「新しい」問題を提示されようと心を砕いておられるのが個人的にすごく良く伝わってきます。そのため、私のような今は受験生ではない者が事後的に拝見しても非常に味わい深いものがあります。

他方で、識者の方々が少なからず指摘されているように、「制限時間」の問題との両立は課題だと思います。共通テスト問題を拝見して、私には茨城県立高校入試と同様の問題文の傾向が見て取れ、実際に私がいた塾の現場でも制限時間の厳しさを指摘される生徒の方がいました。

デジタル・情報化社会の中で、膨大な情報の中から「正しい」ものを素早く的確に選び取り、その情報に基づき自分がどう行動するかを瞬時に「判断」することは非常に重要です。ですが、「考えさせる」問題文が「幻惑的」になってしまわないような、制限時間との兼ね合いで問題文の読解を過度な負担にさせないような配慮を期待させていただきたいです。

難しすぎないけれど決して簡単でもない、ストレートに知識を問う良問としてのセンター試験の伝統も完全には失わないでいただきたいところです。

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